公開日 2019.07.31 最終更新日 2019.08.23
クレジットカード現金化のリスク
クレジットカード現金化すると自己破産できないのか?

「クレジットカードの現金化をした経験がある人は自己破産できない」と聞いたことがあるでしょうか。
そもそも急な金策として使われるケースが多いクレジットカード現金化。
万が一自己破産を考えるまでに追い詰められている場合には、早急に現金が手に入るこの方法に魅力を感じる人もいるかもしれません。
ただし、現金化を行ったことが発覚すると、自己破産をしても借金の負担が減らない可能性があります。
そこでこの記事では、クレジットカードの現金化と自己破産についてご説明していきます。
目次
自己破産とはどんな制度なのか
「自己破産」とは、借金をした人がその借金を返済できなくなった場合に、裁判所から許可を得て免除してもらう制度です。
自己破産を行った場合、当人が抱えた借金の返済義務はなくなります。
ただ、借金が単純にゼロになるわけではなく、まずはこれまで抱えていた借金を返済するために財産を処分します。
それでも返済不可能な借金がある場合、残りを免除してもらうことになります。
そのため、自己破産を行った場合には、一定以上の財産を失ってしまうことになるのです。
クレジットカード現金化を行うと自己破産できない可能性がある
自己破産が認められ、返済の義務がなくなるかどうかについては、借金の金額の大きさはあまり関係ありません。
自己破産と認めるかどうかは、行う理由や資産状況などを踏まえて、裁判所が決定をするのですが、場合によっては認められない場合があります。
借金の返済を免れる理由として認められないものを「免責不許可事由」と言いますが、例えばギャンブルによる浪費のために借金をしたという場合などには自己破産が認められない可能性が高いと言えるでしょう。
クレジットカード現金化は免責不許可事由にあたる
上記で説明している「免責不許可事由」の中には、クレジットカードの現金化も含まれています。
クレジットカードの現金化とは、カードのショッピング枠を使用して商品を購入し、それを転売して現金に換える方法。
これはクレジットカード会社では認められていない行為であることから、自己責任で借金を作ったと見なされるため、自己破産の申し立てが却下される場合があります。
クレジットカード現金化した後に自己破産したい時はどうすればいいのか
実際、クレジットカードの現金化が判明した上で自己破産をしたい場合、それが免責不許可事由に当たるかどうかの判断は裁判所の裁量によります。
これまでの例としては、カード現金化を行ったことを正直に話した上で、カード現金化をしなければならなかった理由や当人の態度によって自己破産が認められた例もあるようです。
ですから、まずは「カードの現金化を行った経験があるが、自己破産をしたい。どうするべきか」といった内容を弁護士に相談しましょう。
相談をすることで、その後の対応についてアドバイスをもらえるはずです。
いずれにしても、弁護士に対しては現金化の話については包み隠さず話した方が良いでしょう。
後から発覚した場合には、弁護士でもフォローできなくなってしまいます。
カード会社にクレジットカード現金化がバレなければリスクは減る
カード現金化は必ずバレるのか?ということについては、「必ずしもバレるわけではない」と言えますが、たとえカード会社にバレなかったとしても、裁判官からの質問に対しては嘘をつくことになります。
また、うまく嘘をつけたとしても、クレジットカードの明細などから後からカード現金化をしていた事実が明らかになる場合もあります。
この場合には裁判官からの質問に対して嘘を言っていたことになるため、自己破産を認めてもらえるかどうか状況としては難しくなります。
自己破産が認められない場合には、借金は帳消しにならずそのままとなるため、長い期間をかけて支払いを続けていく必要があります。
自己破産をしそうなら、クレジットカード現金化は行うべきではない
ここまでの結論として、「自己破産を考えるような状況では、クレカの現金化は行うべきではない」と言えます。
万が一自己破産をしなければならない状況になった場合、カードの現金化を行ってしまったという事実があると、自己破産が認められない場合があるためです。
そもそも、自己破産を考えるということは、金銭的には非常に追い詰められている状況ということ。
普通に考えて非常に危険な状態ですから、カードの現金化以外の対策を講じる必要があると言えるでしょう。
それでもクレジットカード現金化を行うなら業者を使うべき
ここまで読んだ上で、それでもクレジットカードの現金化を行うことを選ぶのであれば、専門の業者を使うべきです。
自分でクレカ現金化を行ってしまうと、お金が必要だという切羽詰まった状況から、どうしても換金率の高い商品を買ってしまう可能性が高いからです。
クレジットカード会社も現金化を認めていない以上、換金率の高い金券などの商品の購入履歴については厳しくチェックを行っているため、自分で現金化を行ってしまうとかえって現金化がバレてしまうリスクが高くなってしまいます。
まとめ
クレジットカードの現金化と自己破産の関係についてご説明してきました。まず、前提として自己破産を考えるほどの危険な状況の場合には、クレジットカードの現金化は行わないこと。ただ、それでもリスクを理解した上で現金化を行いたい場合には、必ず業者を利用して行うようにしてください。